社会・経済ニュース
2025年11月25日号
11月20日の東京債券市場で長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債の流通利回りが1.800%となった(債券価格は下落)。前日終値比0.035%高くなり、2008年6月以来、約17年半ぶりに高水準となった。背景には、現内閣の財政政策が日本の財政悪化になるとの見通しから、国債が売られ、長期金利の上昇の流れが続いている。これから2026年度予算編成時期にあり、財政硬直化を招くのではないかとの危惧が拡がっている。
ドイツの環境シンクタンク「ジャーマンウォッチ」が発表した世界の64カ国・地域の温暖化対策を評価したランキングで、日本は40.95点となり、順位では57位だった。温室効果ガスの排出削減目標が不十分だったと指摘している。ランキングでは十分な対策に取り組んでいる国はないとして、1〜3位は該当なしとし、トップにあたる4位には洋上風力の導入を評価し、デンマークが挙げた。パリ協定から離脱した米国は65位、温室効果ガス排出が世界1位の中国は54位だった。
内閣府は2025年7〜9月の国内総生産(GDP)は実質で前期比マイナス0.4%だったと発表した。年率換算すると、マイナス1.8%となり、6四半期ぶりにマイナスに転じた。GDPの半分を占める個人消費は物価高の影響はあったものの、猛暑の影響で飲料が伸びたことに加え、夏休みシーズンで外食が好調だったことなどから、プラス0.1%となった。一方、輸出ではアメリカの高関税政策から自動車の減少が響きマイナス1.2%となった。
世界保健機構(WHO)が発表した女性への暴力に関する報告書によると、世界で15歳以上の女性の8億4千万人が夫や恋人から暴力を振るわれたり、他人から性的暴力を受けたりしたことがあると推計が明らかになった。世界で女性の約3分の1に相当するとされ、過去20年間、状況はほとんど改善していないと指摘している。WHOは「最も対処が進んでいない問題の1つだ」と指摘しつつ、「女性にとって安全な世界は全ての人にとってより良い世界だ」と早急な対応を呼び掛けている。
金融情報サービスのアイ・エヌ情報センターの調べによると、企業が自社の株式を買い戻す、いわゆる「自社株買い」の実施額は2025年10月末時点で14兆9866億円に上ることが分かった。2015年の自社株買いの実施額は4兆8189億円だったが、2024年度には14兆8635億円まで膨らみ、本年度はあと2ヵ月を残して前年度を上回り、年間ベースで過去最高となった。企業の自社株買いの背景には、2015年に株主重視の経営を求めた「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」で株主重視の経営を求めたことが挙げられている。
厚生労働省の研究班が発表した2012〜2015年にがんと診断された人の5年生存率によると、15歳以上の5年生存率は胃が63.5%(男性64.4%、女性61.4%)だったほか、大腸が67.2%(男性68.1%、女性66.0%)と依然低いことが分かった。一方、約30年前と比較すると、多発性骨髄腫や悪性リンパ腫をはじめとするがんの生存率は15.5〜34.9ポイント高まり、生存率の向上が見られた。
共同通信社が2015年と2025年それぞれの住民基本台帳人口をもとに都道府県別に調査したところ、それぞれに暮らす外国人は10道県では2倍超に達していることが分かった。外国人住民の増加は47都道府県で見られ、10年前と比較して1.78倍に上った。最も高かったのは半導体産業が集積する熊本県で、2.92倍まで拡大している。次いで、北海道(2.87倍)、鹿児島県(2.82倍)、沖縄県(2.64倍)、宮崎県(2.63倍)で続いた。
厚生労働省の発表によると、全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの直近1週間(10〜16日)の患者数は1カ所当たり37.73人だったことが明らかになった。前週から約1.7倍に増え、昨年の流行期から5週早い警報レベルの30人を超えている。都道府県別にみると、最多は宮城の80.02人で最も多く、埼玉(70.01人)、福島(58.54人)、岩手(55.90人)、神奈川(55.12人)が続いている。