社会・経済ニュース
2025年08月26日号
長期金利、一時1.61%まで急上昇
8月21日の国債市場で、長期金利の指標となる新発10年債の利回りが一時1.610%を付けた。長期金利の上昇は約16年10ヵ月ぶりの高水準となる。背景には、日米関税交渉が合意したことや、日銀での追加利上げが早期になるとの見方から高まっていることが挙げられていることから、長期金利が上がったとみられている。加えて、参院選の結果から、野党が躍進したことから、我が国の財政悪化懸念から国債が売られたものとみられている。

高関税が響き、7月の対米輸出額10%減
財務省は7月の貿易統計で米国向け輸出額は前年同月比10.1%減の1兆7285億円となったと発表した。4ヵ月連続の減少で、米政権による高関税が課せられている自動車の輸出額が28.4%減と大きく下回ったことが響いている。世界全体に向けた輸出額は2.6%減の9兆3591億円だったのに対し、輸入は7.5%減の9兆4766億円となり、貿易収支は2ヵ月ぶりに赤字に転じた。また、米国だけを見た貿易収支は5851億円の黒字となったものの、3カ月連続で減少している。

概算要求総額、過去最大の120兆円
国の2026年度一般会計の予算編成で各省庁が財務省に提出する概算要求の総額が120兆円前後となることが明らかになった。3年連続で過去最大を更新する見通しとなった背景には、国債費が最大となる30兆円に膨らむことに加え、物価高から政府の必要経費が膨らんだことが挙げられている。税収は増加しているものの、歳出が賄えないため、国債依存に依存する財政運営は避けられない状況に陥っている。

7月の訪日客、過去最多の343万人
政府観光局の発表によると、7月の訪日外国人客は前年同月比4.4%増の推計343万7千人となり、7月としては過去最多となった。7月は大災害が起きるとの噂から韓国や香港などで減少したものの、旅行先としての日本訪問への人気は根強いものを浮き彫りにした。2025年1〜7月の累計訪日客数は495万5400人で、前年同期に比べ18.4%も伸びている。

消費者物価指数、コメ類が90.7%上昇
総務省は7月の全国消費者物価指数でコメ類の上昇率は前年同月比90.7%となったと発表した。肥料代、輸送費、人件費の上昇などが高止まりしている影響だと指摘されている。コメ類の消費者物価指数は銘柄米の値動きが反映されており、政府が随意契約で大量放出する備蓄米は含まれていない。このため、流通するコメ全体の価格全体を押し下げる効果は限定的だった。なお、7月の消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)は3.1%上昇の111.6だった。

上半期、特殊詐欺の被害は過去最悪
警察庁は2025年上半期(1−6月)の特殊詐欺被害額は約597億3千万円に上ったと発表した。昨年同期の被害額の約2.6倍に上り、上半期としては過去最悪となった。被害額のうち、警察官を名乗り、捜査名目で金をだまし取る「ニセ警察詐欺」が約389億3千万円に上り、特殊詐欺全体の65.2%を占めた。特殊詐欺については、既に昨年の8割を超えるほどになっており、今年は過去最悪となる恐れが高い。

上場企業の来年3月期は7.8%減益予想
SMBC日興証券が上場企業の2026年3月期の業績予想を集計したところ、純損益合計額は44兆9397億円の黒字見通しであることが分かった。前期比7.8%の減少の見通しであり、減益予想は6年ぶりとなる。背景には米国の高関税政策による負担増により自動車をはじめとする製造業を中心に減益を見込んでいる。また、中国による安価な製品が流通する鉄鋼は65%の業績減となるとともに、米国関税で貨物の減少が危惧されている海運も54.1%もの業績減を見込んでいる。

夏休み、一人親家庭41%の子が1日2食
NPO法人しんざるまざぁず・ふぉーらむが全国のひとり親家庭を対象にした調査によると、子どもたちが学校給食のない夏休み中に38%が「1日2食」、3%が「1日1食」だったことが分かった。また、コメが買えない時が「よくあった」「時々あった」は合わせて66%に上った。物価高騰が続くなかで、食費を切り詰めるなどして日々の生活を送る深刻な状況が浮き彫りとなっている。同法人の小森理事長は「一刻も早い支援を」と訴えている。