社会・経済ニュース
2020年03月24日号
新型コロナ感染、世界で30万人に
世界各国の政府が発表した新型コロナウィルスの感染者数を共同通信が集計したところ、3月22日時点で30万人を突破したことが分かった。3月15日時点で15万人を突破しており、1週間で倍増しており、急激な世界的拡大となっていることが明らかになった。とくに、世界保健機構(WHO)の状況報告によると、欧州地域事務所管内の感染者数は世界全体の約48%、死者数も約54%を占め、欧州での感染拡大が際立っている。

コロナウィルス、空気中で最大3時間残存
米国国立衛生研究所の発表によると、新型コロナウィルスが培養用の細胞を離れても、「エーロゾル」と呼ばれる微粒子の状態で最大3時間後も空気中で検出されることが分かった。エーロゾルは長時間、空中を浮遊し、感染力があるウィルスが含まれると感染の恐れが増すとしている。また、研究チームは、プラスチックの上でも最大72時間残存することを突き止め、台所の設備で用いられているステンレスでも48時間も感染力を維持していることを突き止め、今後の感染拡大防止への重要な情報となった。

公示地価、全用途平均が5年連続上昇
国土交通省の発表によると、今年1月1日時点での公示地価は、商業・工業・住宅の全用途平均は前年比1.4%のプラスになったことが分かった。5年連続で上昇しており、とりわけ札幌などの中核4市を除いた地方圏も0.1%上昇し、28年ぶりにプラスに転じた。同省の担当者は「利便性のいい県庁所在地を中心に、その周辺部にも上昇傾向がみられる」と分析している。訪日客の増加や都市再開発によって地価が上昇している背景があるが、新型コロナウィルスによる経済に与える負の影響が懸念されている。

ILOコロナウィルスで2470万人が失業
国際労働機関(ILO)の発表によると、新型コロナウィルス感染症の影響によって、全世界で最大で2470万人が失業する可能性があるとの予測を示した。失業規模は、2008〜9年の金融危機での失業者2200万人を超える可能性があるとの認識を示している。また、失業者の拡大で、労働者の収入も年末までに8600億〜3兆4千億ドル(約93兆〜約370兆円)が減少するとの予測も示し、1日3.2ドル未満の購買力で生活するワーキングプアも880万〜3500万人増加すると見通している。

2月の訪日外国人客、58%の大幅減に
観光庁の発表によると、2月の訪日外国人客は推計で108万5100人となり、前年同期比58.3%減になったことが明らかになった。減少率は東日本大震災直後の2011年4月時点での62.5%減に次ぐものとなった。大幅減少した背景には、新型コロナウィルス感染症が影響したもので、減少によって交通機関やホテル・旅館の利用者の急激な減少で、地域経済にも深刻な影を落としている。観光庁は「3月は一段と厳しくなる」との見通しを示している。

香川でゲーム1日60分条例、全国初成立
香川県の県議会で、子どものインターネットやゲームへの依存を防止する狙いから、利用時間を「1日60分まで」とする条例が全国では初めて可決・成立し、4月1日から施行される。「ネット・ゲーム依存症対策条例」では、ゲーム利用時間を1日60分(休日は90分)までとし、スマートフォンは中学生が午後9時まで、それ以外は午後10時までとする目安が盛り込まれ、18歳未満が対象となる。条例は依存症防止が狙いで、罰則規定は設けられていない。

家計資産は過去最高の1903兆円
日銀の2019年10〜12月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産の残高は前年末時点に比べ、3.3%増の1903兆円に上ることが分かった。過去最高の金融資産残高となった背景には、株式の時価が上昇したことが挙げられている。現金・預金が2.3%増の1008兆円となり、初めて1千兆円を突破し、依然、投資よりも貯蓄に回すという安全志向を浮き彫りにしている。新型コロナウィルスの感染拡大を背景に、今年2月以降は大幅に株価が下落しており、次期の3月末時点での家計資産は減少に転じることが確実視されている。

7割弱が東京五輪「開催できない」見通し
共同通信社が行った世論調査によると、東京五輪・パラリンピックは69.9%の人が「開催できないと思う」と答えていることが分かった。新型コロナウィル感染症について世界保健機構(WHO)がパンデミック(世界的大流行)との見解を示しており、東京五輪開催に関して悲観する向きが多いことを浮き彫りにしている。年代別にみると、「開催できない」とみる向きは、若年層(30代以下)が75.2%を占め、中年層(40〜50代)が65.5%、高年層(60代以上)が69.6%だった。