社会・経済ニュース
2019年09月17日号
欧州中央銀行、11月に金融緩和を再開
欧州中央銀行(ECB)理事会は米中貿易摩擦の影響で景気減速の懸念が強まることから、11月1日に国債を市中から買い上げて資金を市中に供給する金融緩和策を行うことを決定した。具体的には、民間銀行から資金を預かる際の金利をマイナス0.5%に引き下げるもので、3年半ぶりの対応となる。また、理事会では「あらゆる政策手段を駆使する用意がある」として、一段の金融緩和に踏み出す姿勢も示した。米国でも追加金利引き下げの動きもみられ、円相場や株価への影響も想定される日本において、日銀の対応に注目が集まる。

フリーランスの6割がパワハラ経験
日本俳優連合など3団体による調査によると、フリーランスで芸能や出版といった分野で働く人の61.6%が取引先や上司などからパワハラを受けた経験があることが分かった。雇用関係がないフリーランスに特化した調査は初めてとみられているが、セクハラ被害の経験も36.6%あった。自身の体験や見聞きしたパワハラ被害内容では(複数回答)、「脅迫や侮辱などの精神的な攻撃」(59.4%)が最多で、「過大な要求」(42.4%)、「経済的いやがらせ」(39.1%)が続いた。

郵便物、土曜・翌日配達の廃止を答申
総務省の情報通信審議会は、インターネットの普及や人手不足を背景に日本郵便が要望していた通常郵便物の土曜日配達と差出日の翌日配達の廃止が必要とする答申を行った。今秋以降の国会に法改正案が提出される見通しで、見直しが実現すれば、郵便物の配達は平日のみとなる。ただ、速達や書留、ゆうパックは土曜日配達が維持される。答申を取りまとめた情報通信審議会の米山部会長は「ユニバーサルサービス(全国一律)を変えるか、税金を投入するかということもいずれ考えざるを得ない」との見解を示した。

100歳以上の高齢者、初の7万人台に
厚生労働省は全国の100歳以上の高齢者は7万1238人になったと発表した。49年連続で増加し、初めて7万人を突破したことになり、平成の時代の30年間で約23倍も増えている。100歳以上の高齢者の88.1%を女性が占めていた。都道府県別にみると、最多は東京の6059人で、神奈川(3933人)、大阪(3648人)が続いている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、100歳以上の高齢者は10年後の2029年には18万人を超えるとしている。

消費税ポイント還元導入店は3割止まり
経済産業省が消費税増税に対応して開始するキャッシュレス決済のポイント還元制度で導入の申請期限を9月6日と設定しているが、9月5日時点での申請件数約58万店だったことが分かった。対象とされる約200万店の約3割程度にとどまる見通しである。申請のあった導入店舗の内訳では、小売業が約58%、飲食業が16%、その他のサービス業などが約26%となっている。

65歳以上の高齢者、過去最高を更新
総務省は65歳以上の高齢者人口は過去最多の3588万人になったと発表した。前年より32万人多く、総人口に占める割合も過去最高の28.4%となった。また、65歳以上の就業者数も過去最多の862万人となり、就業者全体の12.9%を占めている。健康寿命が延びていることに加え、老後生活2千万円問題や年金不安の広がりなどから、今後、働く高齢者は増えていくとみられる。日本の高齢化率は、15年連続世界1位で、2位のイタリア(23.0%)を大きく上回っている。

認知症を約3分で検査する技術を開発
大阪大学の武田准教授チームは図形や計算を用いた問題をモニターに映し出し、被験者が正解の選択肢をどのくらい長く見ているかによって認知機能を検査する技術を開発した。赤外線カメラによる視線検出技術で被験者がどこを見ているかを把握するもので、約3分ほどの簡便な検査時間と検査方法で認知症の早期発見・予防につながるものとして期待されている。同大病院で被験者80人に検査をしたところ、認知機能が低下した人ほど正解を見ている時間が短いという結果が出た。

熱中症を経験した飼い犬は4分の1に
日本気象協会が20歳以上の犬を飼う人を対象にしたアンケート調査によると、24.3%の人が「熱中症にかかったことがある」ことがあると答えていることが分かった。熱中症になった状況を尋ねたところ(複数回答)、「日中、散歩している時」が最多の44.3%で、「室内で過ごしている時」(29.1%)、「屋外で過ごしている時」(24.1%)、「朝、散歩している時」(20.3%)などが挙げられた。