社会・経済ニュース
2017年12月05日号
OECD予測、日本の来年成長率は1.2%
経済協力機構(OECD)は2018年世界経済見通しで、日本の実質国内総生産(GDP)の伸びは前年比1.2%と予測した。2017年推計の1.5%から減速する要因として、GDPの2.2倍もの債務残高を抱えている状況は重大なリスクであると指摘したうえで、「成長の持続性を高める上でも財政再建が欠かせない」としている。また、OECD世界経済全体での成長率は3.7%とした。

はしか死者、2000年比84%もの大幅減
国連児童基金(UNICEF)は2016年の「はしか」による死者は初めて10万人を割り込む8万9780人になるとの推定を発表した。2000年には推定55万人もの死亡が見られたが、発展途上国を中心にワクチン投与が寄与し、2000年比で84%もの大幅な減少となった。UNICEFでは2000年以降、2016年までの間で2000万人余の生命が救われたとしている。

賃上げ平均、前年比451円増の5627円
厚生労働省は2017年賃金引上げ実態調査で、月額所定内賃金の平均引き上げ額は、前年比451円増の5627円となったと発表した。増加率は2.0%となり、1999年以降で最も高かった。賃上げを実施する企業は87.8%で、「賃金を引き下げる」(0.2%)や「賃金の改訂はしない」(6.3%)にとどまり、同省では「景気回復に加え、労働力確保のために給与面での待遇を改善する企業が増えている」とみている。

救急車の「不搬送」は63万件に
総務省消防庁の調査によると、119番通報で救急車が出動したものの誰も搬送せずに引き返した、いわゆる「不搬送」件数が2015年で約63万件に上ることが分かった。10年前と比べて1.4倍も増加している。不搬送の背景には、タクシー代わりに不要不急で出動依頼する通報が多いとみられる。重篤者・重傷者の搬送に影響も危惧されるだけに、同庁では今後、自治体ごとに異なる「不搬送」の定義を統一するなどの対応を行う方針である。

自治体の歳出・歳入とも2年連続減に
総務省が発表した全自治体の2016年度普通会計決算によると、歳入は前年度比0.4%減の101兆4598億円、歳出が同0.3%減の98兆1415億円となり、歳入・歳出ともに2年連続で減少していることが分かった。東日本大震災の関連事業が縮小したことが自治体全体の歳入・歳出を押し下げた。震災関連を除いた歳入・歳出をみると、歳出入ともに社会保障費が膨らんだことで、4年連続での増加となっている。

通勤電車でのイライラで最も多いのは
インターネットサービスを運営するビックローブが20〜50代の男女を対象にした調査で、「通勤電車でイライラすること」を尋ねたところ(複数回答)、「奥に進めず、ドア脇でとどまる乗客」(53.4%)が最多だった。2位が「電車が遅延すること」(51.1%)で、3位が「リュックやカバンを前に抱えない乗客」だった。また、混雑した通勤電車に乗っていられる時間を尋ねたところ、「30分以内」(5分以内、15分以内も含む)が全体の8割を占めた。

求人倍率、43年9カ月ぶりの高水準に
厚生労働省は10月の有効求人倍率は1.55倍となり、1974年1月以来、43年9か月ぶりの高い水準となったと発表した。求人倍率は求職者1人当たりの求人数で、9月までの3カ月間は1.52倍での横ばい推移が続いてきており、10月は0.03ポイント上昇したことになる。業種別の新規求人数は、自動車や住宅関連を中心とした製造業、さらに深刻な人手不足が続いている医療、福祉が大幅に増加している。他方、10月の完全失業率は5カ月連続で2.8%と横ばいで推移してきており、同省では「雇用情勢は着実に改善している」と分析している。

流行語大賞は「インスタ映え」「忖度」
自由国民社がその年1年間に発生した「ことば」のなかから、世相を軽妙に映し、多くの人々の話題に上った新語・流行語を選考する「2017ユーキャン新語・流行語」で、年間大賞に「インスタ映え」「忖度」を決定した。また、トップ10には、「35億」「Jアラート」「睡眠負債」「ひふみん」などが選ばれた。大賞となった「インスタ映え」はSNS「インスタグラム」に写真をアップして見栄えがいいことを意味し若者を中心に使われ出し、「忖度」は森友・加計学園問題で、気持ちを推し量り対応するとの意で、連日、マスコミで報じられた。