社会・経済ニュース
2014年03月18日号
消費税の転嫁拒否企業は定期公表へ
政府は4月からの消費税増税の価格転嫁を円滑する上で、消費税の転嫁を拒否した企業の調査結果を公表すると発表した。企業の実態調査については、4月以降、国内の全法人と個人事業者の合計385万社に対してアンケート調査を行うとしている。政府は、下請け業者に負担の押し付けを繰り返している企業については、社名も開示する方針で、徹底した価格転嫁拒否が違法行為であることを周知する姿勢で臨んでいる。

2030年就業者数、医療・福祉分野で最大
厚生労働省が独立行政法人労働政策研究・研修機構に委託した将来の労働力需給推計調査によると、2030年の産業別就業者数が最多になるのは医療・福祉分野で、今と比べて最低でも202万人増え、908万人に達する見通しであることが分かった。2012年に首位だった卸売・小売業は287万人減少し、2位だった製造業では162万人が減るとしている。高齢化を背景に医療・福祉分野は群を抜いた成長市場となる。

2060年の労働力人口、最悪3795万人
内閣府の長期の労働力人口予測によると、2060年の労働力人口は女性や高齢者の労働参加が進展しても、約50年で1170万人今より減少するとの結果が出た。様々なケースで予測されているが、女性や高齢者の労働参加が進展しない最悪の場合、労働力人口は今より42%減少の3795万人となる。また、2012年に合計特殊出生率が2.07に回復した場合でも、18%減少の5407万人になる。

災害時避難で60代以上の男女で違いが
東京女子大の広瀬名誉教授が行なった災害時の避難に関する調査で、60代以上の男性は「家族が集まってから避難する」(47.5%)が最多だったのに対し、60代以上の女性は「その場にいる人と一緒に逃げる」(42.2%)と、災害時の避難対応での違いが分かった。同名誉教授は、「高齢の男性は地域とのつながりが薄い人が多く、家族しか頼れずに避難開始が遅れる傾向にあり、災害弱者になりやすい」と指摘している。

起業向け融資、リーマン危機前の水準に
日本政策金融公庫の発表によると、2013年4〜12月期の起業向け融資件数は前年同期比14.3%増の1万7304件となり、リーマン危機前の水準にまで回復していることが分かった。デフレ期には借入れ負担が重く起業に踏み出しにくい環境にあったが、脱デフレの進展に伴ってお金を借りて起業しやすい環境に向かっていることを浮き彫りにしている。起業で目立ったのは、前年比約3割増となった介護施設や不動産業だった。

偽ブランド品の輸入差し止め、過去最多
財務省の発表によると、2013年に全国の税関で偽ブランド品など知的財産権を侵害する物品の輸入を差し止めた件数は過去最多の2万8135件に上る事が分かった。中国からの持ち込み件数が全体の91.9%を占め、品目ではバック類が最も多い44.5%を占めた。また、昨年はスマートフォンのケースや、健康志向を追い風にした運動用DVDの増加がみられ、時代を浮き彫りにした差し止めが目立った。

中小でも賃上げの動き拡がる
帝国データバンクが全国8200社の中小企業の賃上げ動向調査を行ったところ、2014年度に賃上げ(ベアや一時金)を行うとする企業は47.6%に達し、2007年度以降で最も高い水準にあることが分かった。中小が賃上げする理由(複数回答)として、「人材確保・定着」が約6割に上り、「業績改善」が5割弱を上回った。慢性的な人手不足感が中小の賃上げを促している面は否めない。

69%が「男性の草食化」進展を認識
日本世論調査会が20歳以上の男女を対象にした結婚・恋愛観に関する世論調査を行ったところ、日本男性の中で恋愛に消極的な、いわゆる「草食化」が進んでいると考える人は68.7%に上ることが明らかになった。30代女性では83%が男性の「草食化」を認識していた。また、少子化の原因として多く指摘されたのは、「晩婚化が進んだから」(83.9%)、「経済的に子供を産む余裕のない人が増えたから」(74.8%)だった。